お知らせ
埼玉県立歴史と民俗の博物館にて「北野天神縁起絵」の展示
日時 6/15~8/29まで
埼玉県立歴史と民俗の博物館において、北野天神社の社宝である「埼玉県指定文化財 北野天神縁起 絹本着色」が常設展にて展示されます。天神信仰の美術の中でも当社の北野天神縁起絵は室町時代の作例として貴重ですので、是非、この機会にご鑑賞いただけたら幸いです。
☆期間
①6月15日~7月4日は1、2、3幅
②7月6日~8月1日は4、5、6幅
③8月3日~8月29日は7幅
☆開館時間
月曜休館。9時~16時半
☆住所
埼玉県さいたま市大宮区高鼻町4-219
●北野天神縁起とは
北野天神縁起は、全国の天神社のご祭神である菅原道真公の幼少期から天神として祭られるまでの霊験利生を描いた作品です。時代の変遷や地方への拡大といった天神信仰の広まりとともに、その美術も変容していきます。
●北野天神社の北野天神縁起絵
・室町時代15世紀~16世紀
・絹本着色
・全7幅
巻子形式が一般的な天神縁起においては、珍しい掛幅形式の作品です。
京都北野天満宮の承久本が鎌倉時代であることを考えても、現存する掛幅形式として室町時代の当社北野天神縁起絵は古い遺例として注目されています。
所沢市の山口城主、山口資信の発願によって元亀3年(1572)に修理された墨書きがあり、由緒が明確に記されている点も貴重です。
●掛幅形式について
巻物ですと鑑賞する人数が限られてしまいますが、大きな掛け軸にすると不特定多数への布教が可能であって、天神信仰の変遷とともに必要に応じて作成されました。
詞書がないため、絵解きを必要とし、物語は下から上へ順序が進みます。
●天神信仰と学問の神様
北野天神縁起絵は、鎌倉時代の絵巻の巻子形式から始まり、室町時代から掛幅形式、束帯天神像と信仰され、江戸時代では奈良絵本、寺子屋にて学者であった道真公が尊ばれ、浄瑠璃の菅原伝授手習鑑へと大衆文化や芸術として昇華していきます。
天神信仰の拡大の中で、民俗的にも身近な存在となり、このように多彩な展開をみせ、現在も学問の神様「天神さま」として親しまれています。