所沢の航空神社とは
所沢の航空神社は昭和12年に創建された慰霊と航空安全のための神社です。
所沢市の航空史、戦争の歴史を伝えております。
御祭神
主祭神 天照大御神 神武天皇 明治天皇
配祀 元陸軍航空隊の戦没者及び殉職者 自衛隊の航空殉職者
御社殿
伊勢神宮及び大宮氷川神社の御古材を以て造営されました。
現在の小手指神社本殿です。
ご由緒と奉遷
日本国内初の飛行に成功した
戦後の混乱より落ち着きを取り戻した昭和30年頃より当所小手指・北野・北中・北打越及び西所沢・上新井地区の戦没者を合祀し慰霊祭が執り行われました。慰霊祭は東久邇宮殿下のご臨席を賜り、音楽隊の吹奏を行い、それに関する歌までできるなど盛大に斎行されました。
しかし、昭和40年11月3日に諸般の事情により軍関係の御霊のみ碑となって奈良の航空自衛隊幹部候補生学校に奉安される事となりました。残された御祭神と御霊は小手指神社の御祭神として引き続きお祀りされ、遺族の方々は元より氏子崇敬者、航空関係者や自衛隊の方々の崇敬をうけています。(慰霊祭は4月15日)
奈良の航空自衛隊幹部候補生学校の御霊は、修武台記念館が設立され整備も着々と進んできたのを機に、昭和63年2月に奈良から入間基地に奉安されました。
現在、時代に翻弄され幾度も奉遷された御神霊は入間基地にて静かにお眠りになられています。
航空神社移転願 | 昭和32年 航空神社大祭にて 元東久邇宮殿下 |
航空神社と北野天神社の繋がり
所沢陸軍飛行学校時代より航空神社の斎主を栗原家が務めてきたのは、当社が埼玉県でも有数の古社であるからばかりでなく、延喜式内社でもある物部天神社の御祭神、
航空神社の現在
航空神社は現在、小手指神社という名前で北野天神社内の摂末社としてお祀りされております。
社名は変遷しましたが、社殿は昭和12年に創建された当時のものであるばかりでなく、主祭神様の天照大御神・神武天皇・明治天皇は今も変わらず当神社に鎮座されておられます。
当社の宮司家は創建された当時から今日にいたるまで祭祀を司り、御霊を大切にお祀りしてまいりました。
敗戦直後、進駐軍がやってくる中で軍施設の校内神社を受け入れるという事は、並大抵の事ではなく、命がけの覚悟がいりました。
そういった歴史を踏まえ、先代宮司の栗原弥生子は「航空神社は静かに大切にお祀りしなさい。」とよく申しておりました。
その言葉通り、現在まで遺族の方々・神社委員そして地域の氏子さん達と共に、丁寧に祭祀を斎行してまいりました。
航空神社は慰霊と航空安全のために創建された神社です。
航空神社というお名前はこの所沢市の戦争の歴史を担っており、所沢市に二つとあってはいけません。
所沢市の航空史において、戦争による悲しく尊い犠牲と当時の人々の深い想いは、伝えていかなくてはならないものです。
「航空神社」という名前はその歴史を背負っています。
かけがえのない歴史が塗り替えられることの無いように、大切にお祀りしましょう。